有機質肥料の中国輸出の課題  ③

12.10.31



3、中国の肥料輸入の現状

 

中国で有機質肥料の需要が高まりつつある。しかし、残念ながら中国国内の法的な規制、社会システム、畜産事業社、下水汚泥処理施設等が未整備であるため、社会循環型の有機質肥料の供給が十分に行き届かない。

その供給は先の述べたように、足らずや、高品質の物を海外に依存している。

つまり、輸入しなければならない状況にある。

 

しかし、2010年1月畜糞由来の有機質肥料は、基本的に輸入禁止となり、昨年10月にはその他、動物・植物原料由来の肥料が登録制となった。登録制とは、北京政府が輸入予定の肥料の成分分析を行い、栽培試験までを行い合格した場合に輸入許可が出される制度である。

実質は輸入禁止と言っていいだろうが、当社は登録を取った製品があるため、辛うじて輸出を進める事ができていた。

しかしながら、この度の政府間の領土問題が、輸入規制に追い打ちをかけている。政治問題が経済に影響を与えるという中国の特殊な事情もあって、現在、水際で厳しい状況が続いているのだ。

これまでも、WTOで欧米諸国から、不平等取引で訴えられて敗訴となったケースの多い中国である。

さすがに、日中間貿易を止めるとなると、WTOの違反となる。

この度は、日本からの貨物の検疫や通関検査は、全量検査となっている。日本への輸出もまた、ほぼ、同等の措置を取っている。

中国側の貿易関係企業各社は、このようなことが起こるということを事前に知らされており、現在、彼らは、輸出入を止めているのが現状だ。

全量検査となると、コンテナヤードで長期間保管される事になり、良品でも、不良品扱いとされて、通関出来ず(注)、中国国内に入らない可能性がある。

 

(注)通関が通らない場合は、輸出国に戻す、指定の場所で焼却する、第三国に輸出し直す方法が取られる。 日本に戻すと言う事は、日本がどこかから輸入するということであり、有機質肥料はまず、日本は受け入れないため、焼却、第三国へと言う事になる。

 

また、中国の各港が一率で同じ対処をしているかと言えば、そうでもなく、山東省や江蘇省は厳しく、大連あたりは対応が緩やかと聞く。

気の毒なのは、そのような措置が取られる以前に輸送された貨物の関係者で、不幸な事に、港で足止めを食って、ヤードの保管料を払う事態になっている。肥料の輸出入に限らず、この度の中国の通関当局の日本関連の貨物に対する対処は、日本企業のみならず、中国の貿易会社、船会社、輸入業者、エンドユーザーにまで大きく影響を与えていることを忘れてはいけない。

 

カントリーリスクの高い国と言われ続けてきた中国ではあるが、自国民まで傷つけながら、日本企業を攻撃しているとも言えます。